FM三重『ウィークエンドカフェ』2017年8月26日放送

今回のお客様は、志摩市浜島町南張にある『川口農園』の川口芳幸さん。
ここは三重県では『南張メロン』として有名なメロンの産地です。
その南張で一年中おいしいメロンを作っているのが川口さん。
1年中食べられる野菜があるのと同じように、メロンも切らすことなく・・・。
と言っても本来の旬は夏。
糖度が高く、網目がしっかりと張られたメロンが育っています。
ハウスの中は30度から40度。
朝早くから作業を始め、夕方遅くまで一日中、体を動かしています。

和5年にメロン栽培をスタート

ウチがメロンをつくり始めたのは、昭和5年から。
もう80年くらいで僕が4代目。
はじめたのはひいおじいさんの代なります。
この地域はメロン栽培を始めたのがはやく、一番お多い時期で13軒ほど。
このあたりは温暖なのでメロンに適していると思います。

 

間10000個を出荷!

メロンのハウスは10棟、それから苗用のハウスが1棟。
個数にすると年間10000個くらい出荷しています。
それでもこのあたりは規模が小さい農家ばかりなので、大産地になるともっと多いですね。
メロンの産地は他には静岡、北海道、熊本、それから茨城がけっこう盛んだと思います。
三重は軒数が少ないですね。
伊勢の小俣、名張の方でもやっていると聞きます。
南勢は全国的に見ても、長い歴史があると思います。
私がメロン栽培に携わるようになったのは17〜8年前。
最初は父の背中を見ながらで、いらない芽を摘んだりする細かい作業ばかりでした。
メロンの栽培は、1つの苗からまずは3つの実を育て、そのうち2つの実を取ってしまい、残った1個に養分を集中させるんです。
そこからおよそ50日間かけておいしく育てます。
水掛けを始めたのは、仕事について5年ほど経ってから。
それから徐々に大事な仕事を任されるようになりました。
何がしんどいかというと、やはり夏のこの暑さ。
糖度は13度以上というのが規格なんですが、ウチでは15度以上のものを出荷しています。
高いものだと17〜8度まで上がってきます。
安定して、というのが難しい部分があるので、なるべく安定してできる限り美味しいメロンを作っていきたいと思います。
晴れている分にはいいのですが、ずっと雨が続くとメロンの生育に影響してくるので、日は差してほしいですね。
今年は晴れている日もあり、そういう意味では良いのですが、気温が高すぎるのも問題があります。
30〜32度が適温ですね。

 

ロンづくしのカフェと、おいしいメロンの食べ方

ビニールハウス横のカフェは、メロンのみのメニューになっています。
メロンパン、メロンケーキ、メロンジュース、ゴールデンウィークからはメロンソフトクリームと、カップのアイスクリームを始めています。
カップのアイスクリームは志摩市の開発センターに作ってもらっています。
以前は小さな小屋で、観光客の方に待ってもらっていましたが、待合所兼地元の人の憩いの場所として使ってもらおうと、このカフェを建てました。
それとメロンは食べる時期が難しいという話があったので、ここに来たら食べごろのメロンを食べてもらえるようにしたかったのもあります。
みなさんから、置きすぎて腐らせてしまったとか、食べるのが早すぎて硬かったなどの話を聞きます。
メロンには食べごろの時期も表示しているますが、そのタイミングで食べられないこともありますし、保存する場所の温度で、違いが出てしまうことがあります。
基本は室温での保存なんですが、買ってもらったらすぐに箱から出して上についているアンテナのようなツノを横に向けて寝かせ、食べごろになるまでコロコロと向きを変えてください。
そうするとおしりの方や地面に接している方から均等に柔らかくなっていくんです。
でも、ここでは出す前にちゃんと味を見て、良いものを出しているので、いつでも最高の状態のメロンを食べることができます。

 

メニュー開発にも意欲的!

カットメロンとジュース、あたたかくなってくるとソフトクリームもよく出るようになり、これからはシャーベットも出てくると思います。
メロンのメニューはいろいろあるのですが、熱を加えるのは味が変わってしまうため難しいです。
しかし冬場にホットメロンジュースを試したところ、非常に好評でした。
あたためることで余分な水分が飛ぶので、ちょっととろみのある、メロンのポタージュスープみたいな感じになります。
商品開発は家族みんなでやっています。
こんなのどうだろう・・・という話から、開発をスタートします。
カフェに一番最初からあるメニューは、カットメロン、ジュースとシャーベットとメロンパン、メロンケーキ。
最初から少なすぎるのも寂しですから、取り揃えました。
現在構想中なのは、メロンパフェ。
パフェやかき氷は昔からありましたが、果物一つづつを活かした進化系のパフェやかき氷がブームになりつつあります。
メロンパフェを食べたいと、お客様からの要望もあります。
昔はメロンを半分に切ってVSOPを注ぐなんてのもありましたね。
あれは本当にメロンのジュースみたいになるので、一度やってみてください。

 

元の小学生も見学に来る

カフェがビニールハウスの隣りにあるので、仕事をしているとのぞいてくるお客さんがいます。
その時、私も時間に余裕があったらハウスを案内しているので、見てもらうことができます。
みなさん興味津々で見ていかれますね。
最近『食育』という言葉もよく聞くように、これをきっかけに農業にも興味を持ってもらえるといいなと思います。
毎年地元の小学校の生徒さんが見学に来て、『メロンの一生』みたいな感じで、小さな実から大きな実まで全部見学。
その後に質問コーナーがあるのですが、子どもたちも真剣で、よく考えた質問をしてきてくれますよ。